求人を出しても応募が来ないと、媒体を変えるべきか、求人票を書き直すべきか迷うものです。
ただ、応募がないという結果だけでは、原因は決められません。
障害福祉事業所の求人は、掲載状況・勤務条件・仕事内容の説明・応募方法の4つに分けて点検します。
確認できた課題に応じて、媒体への問い合わせ、条件の検討、原稿修正を選び、必要な情報を採用ページで補う流れを紹介します。
この記事でわかること
- 求人の掲載状況を確認するポイント
- 給与・勤務条件を見直すポイント
- 仕事内容や職場環境の伝え方
- 応募方法と採用情報の改善方法
求人の掲載・閲覧状況と無料媒体の利用条件を確認する
媒体を増やす前に、現在の求人が公開され、募集内容が正しく表示されているかを見直します。
無料媒体だから応募が来ないと決めつけず、次の項目を確認してください。
- 公開状態と掲載期限、更新手続きを確認したか
- 職種・勤務時間・募集人数などが現在の内容と一致しているか
- 掲載料・採用時費用・追加機能の料金と、無料になる範囲を把握しているか
閲覧数を取得できる場合は、集計期間も合わせて確認します。
取得できなければ、見られていないとは判断できません。
機能や費用が分からない点は、媒体の公式案内や担当窓口で確かめます。
職業安定法第5条の4では、募集情報の虚偽・誤解を生じさせる表示を禁じ、募集する側に正確で最新の内容を保つことを求めています。
給与・勤務条件と募集対象が合っているか見直す
給与や勤務時間が伝わっていないのか、条件自体を検討する必要があるのかを分けて考えます。
基本給と手当、休日、必要な資格・経験、試用期間中の条件を見直しましょう。
周辺の求人と比べる場合も、地域・職種・雇用形態をそろえます。
厚生労働省の案内では、募集時に業務内容・賃金・労働時間などを明示する必要があります。
2024年4月からは、業務・就業場所の変更範囲や、該当する有期契約の更新基準も追加されています。
出典:募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!(厚生労働省・1ページ)
実際には時間変更に応じられないのに「勤務時間は柔軟に調整できます」と書くことはできません。
相談できる条件と、事業所内で見直す必要がある条件を分けてください。
仕事内容と働く環境を具体的に伝える
職種名に加え、担当業務や勤務の流れ、困ったときの体制まで説明します。
仕事内容、夜勤、職場を表す言葉の順に、判断材料が足りているか見ていきます。
職種名だけでなく、業務と勤務の流れを書く
私は介護福祉士として障害者グループホームなどで働くなかで、職種名だけでは、実際の仕事内容や勤務の大変さが伝わりにくいと感じています。
たとえば「生活支援員募集」に、担当業務と勤務の流れを書き添える方法があります。
支援・記録・家事などのうち、担当する業務や分担を自事業所の実態に合わせて説明しましょう。
職種名だけでは分からない部分を補えます。
長崎労働局の福祉求人向け資料も、仕事内容や夜勤、相談・連絡体制を具体的に記載するよう助言しています。
夜勤体制と休憩・仮眠の実態を説明する
夜勤がある募集では、勤務時間のほか、夜間の配置、担当範囲、緊急時の相談・応援先を伝えます。
「仮眠あり」と書く場合も、その間に対応が必要なのか、交代できるのかを確かめてください。
厚生労働省は、休憩には労働から離れることの保障が必要で、対応に備える手待時間は休憩に含まれないと説明しています。
仮眠も、電話等への対応が不要で、実際にも業務を行わない場合を、労働時間に該当しない例として示しています。
名称だけで扱いを決めず、対応義務と実態を確認し、個別の判断に迷う場合は労働基準監督署等へ相談してください。
出典:労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い(厚生労働省等・2ページ)
「アットホーム」「働きやすい」を事実で具体化する
こうした言葉を一律に避ける必要はありませんが、何をもってそう言えるのかを書き添えます。
以下は説明用の例です。
【 】は事実確認後に埋める箇所で、実在する事業所の制度や実績を示すものではありません。
| 表現 | 確認する事実 | 事実に基づく改善例 |
|---|---|---|
| アットホームな職場 | 相談先と相談方法 | 困ったときは【相談先】へ【方法】で相談できます。 |
| 働きやすい環境 | 休日の希望の出し方 | 休日の希望は【申請方法】で伝えられます。 |
| やりがいのある仕事 | 担当業務と支援の目的 | 【担当業務】を通じて【支援の目的】に関わります。 |
| 未経験者歓迎 | 応募条件と教育体制 | 【応募条件】で応募でき、入職後は【担当者】が【指導内容】を教えます。 |
| 風通しの良い職場 | 意見を伝える窓口・機会 | 改善案は【窓口・機会】で伝えられます。 |
表は横にスクロールして確認できます。
応募条件と研修内容は分けて示し、実際にはない制度や運用を加えないようにします。
求人票で伝える情報と採用ページで補う情報を分ける
求人票では、条件や担当業務を明確にします。
採用ページでは、勤務の流れ、研修・相談体制、職場の写真などを詳しく補う方法があります。
媒体の掲載欄や補足機能で足りるかを見てから、ホームページ整備を検討してください。
写真は公開できる範囲を事前に確認します。
自社サイトやSNSで直接募集する広告には、募集主の氏名(又は名称)・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の6情報を、広告自体に表示する必要があります。
募集要項へのリンクだけでは代替できません。
この6情報と、募集時に明示する労働条件全体は別です。
広告のスペース不足等でやむを得ず一部を別途明示する場合も、その旨を案内し、原則として面接等で最初に接触する時点までに全条件を示す必要があります。
出典:募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!(厚生労働省・2ページ)
ホームページで説明を充実させても、勤務条件そのものや求人が届く範囲の課題には、別の対応が必要です。
応募方法を点検し、確認できた課題から改善する
情報を整えたら、応募先と手順を実際の案内に沿って点検します。
点検で分かった課題ごとに、誰が何から対応するかを決めましょう。
応募先と手順を求職者の目線で確認する
どこから応募するのか、必要書類は何か、応募後はどう進むのかが読み取れるでしょうか。
電話番号の誤記、リンク切れ、フォームの表示を確認し、スマートフォンでも案内をたどってみてください。
応募フォームは、利用目的を応募者へどう示すか、入力項目が応募受付に必要な範囲か、情報を適正に管理できるかを点検します。
応募の段階で何が必要かを、受付担当者とすり合わせておきましょう。
課題ごとに対応先を決め、改善の順番を整理する
明らかな誤記や不具合は修正し、判断材料がない部分は確認先を決めます。
把握できた課題への対応は、次の表を参考に担当者と最初の行動を決めてください。
| 分かった課題・不明点 | 対応先 | 最初の行動 |
|---|---|---|
| 連絡先の誤記・リンク切れ | 原稿・応募窓口の管理担当 | 正しい情報に修正して動作を確認 |
| 公開状態・費用・閲覧情報が不明 | 媒体の公式案内・担当窓口 | 掲載状況と利用条件を確認 |
| 勤務条件自体の検討が必要 | 法人・事業所の責任者 | 変更・相談できる範囲を検討 |
| 業務・夜勤体制の説明が不足 | 現場責任者・原稿担当 | 実態を確認して求人情報へ追記 |
| 詳細を載せる場所が不足 | 媒体・ホームページの管理担当 | 媒体内で補えるか確認し、必要なら採用ページを検討 |
表は横にスクロールして確認できます。
まとめ
求人に応募が来ないときは、掲載・条件・説明・応募方法を点検し、確認結果に合う対応から始めます。
求人票で直す内容、事業所内で検討する条件、媒体に尋ねる事項を分けたうえで、採用ページに補う情報を選びましょう。
